小屋をつくったきっかけは、あるお客様から
「庭にあるログハウスの雨漏りがひどいので直してほしい。」
というご依頼からでした。

お聞きすると、
「雨漏りと老朽化、あと教室として使っているとき暑くて寒いのはなんとかならないか?」
というご相談でした。

修繕することができないほどの状態でしたので、新しく小さな小屋をご提案しました。

家づくりの考え方で出来ると思っていましたが、そんなに簡単ではありませんでした。
三坪のスペース、通常の家をつくる工程をそのまま再現すると、少しの工事に何人もの職人さんが入って、お客様に工程的なご負担をかけてしまうことと、コストがかかりすぎてしまいます。

そこで“工場でパネル化した材料を現地で組み立てる”という方法でコストと工期短縮ができるものを考案しました。



出来上がった小屋は、予定されていた“教室”としての利用はもちろん、お庭にある“第二のリビング”として、来客時ゆったりとお茶を飲むのに使われているとのことでした。


同時期、プレハブ小屋を事務所として使われていた方からも小屋のご依頼がありました。
こちらは、冬場の暖房用に薪ストーブを設置したのですが、昼間は“打ち合わせ室”として利用され、夕方は“ご家族で薪スト―ブを囲んで夕食”をとられている。
「家族のコミュニケーションがとれて、とても良い」というお声をいただきました。



私たちは「楽しむ暮らしを一緒につくる」ことを家づくりのテーマとしている工務店です。
普段の何気ない日常こそ大切にしていただきたいと考えています。

小屋が何気ない日常を特別に感じることのできる場所であるならば、今必要とされている人は多いのではないかと考えました。


そして、次は木工作業小屋が欲しいというご依頼をいただきました。
「今まで風雨にさらされながらしていた木工作業を、定年を機に小屋で落ち着いてやっていきたい」というご依頼でした。


このいくつかのご依頼から、私たちは「小屋」を通して「楽しむ暮らし」のお役に立てるのではないかと考えました。

毎日の何気ない日常を楽しんで過ごす場所。
小屋がそんな場所であってほしいという想いを込めて。
憩いの小屋『IKOYA』と名付けました。

たくさんの方にこの思いをお伝えして、それぞれの場面で「毎日の“楽しい”を見つけてほしい」と考え小屋の小さなモデルハウスをつくることにしました。



その時思ったのは、私たちの住む豊田市で育った木を使って小屋をつくることでした。


豊田市はものづくりの盛んな町ですが、同時に自然がとても豊かで、自然とともに育まれてきた町でもあります。
山があり川があり、かつては、自分の山の木で家を建てるということが普通に行われていました。

今、山の木を切ってもお金にならないからと、林業は衰退の一途をたどっています。
でも、私たちを水害から守り、おいしい水が飲めるのは、山があり森があり、守ってくれている林業の方々がいるからなのです。

豊田市の地域の木材を使うことで少しでもそのお役に立てればと思い、「IKOYA」に豊田市産材を使っています。


いまさらに“おうち時間”の大切さが見直され、あたりまえの日常がどれだけかけがえのないものであったか気づかされています。私たちのつくる小屋がその手助けになることができたらとても嬉しいです。