母の記憶

縁側の見える居間にお腹の大きい母といる。
お腹の中にはもうすぐ生まれてくるきょうだいがいる。
母は幸せそうに笑っていた。

そのあと思い出すのは忙しそうに働く母の姿。
田んぼと畑と家族の食事、洗濯。
お正月もお祭りも忙しそうで、休んでいる母の姿を思い出すことができない。

毎日の食事風景は食卓というより合宿所の様だった。
そんな毎日だったけれど、面白いネタには事欠かなくて、たくさんの人に囲まれていつも笑っていた母。

もう少しゆっくりさせてあげられたら良かったと今になって思う。
もう少しだけ、母とゆっくり過ごしてみたかった。

毎日は当たり前に過ぎてしまい、立ち止まることはできないけれど、ふと何が大切かを考えて過ごしてみようと思う。

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