子供の頃、鉄棒で逆上がりができなくてお父さんに鉄棒が欲しいと言ったことがありました。
家で練習して逆上がりができるようになりたかったのだと思うのですが、忙しいお父さんが私に作ってくれたのは竹で出来た鉄棒でした。
その場所は、家の横の竹やぶの中。季節は暑くなる頃だったと記憶しています。
蚊がいるからいやだと理由をつけて、私は逆上がりの練習をそんなに熱心にはしませんでした。
せっかく作ってもらったのに。
もしかして、私は鉄棒が欲しかったのではなく、逆上がりができるように教えて欲しかったのかもしれません。
子供の私はそれがうまく伝えられず、自分で練習もできず。
父親とのコミュニケーションはこんなことの繰り返しかもしれません。
一生懸命私のことを理解しようとしてくれて、何かをしようとしてくれる。
でも本当に欲しいものは少し別のところにある。
今日は、あまり得意ではない野菜作りをしてできたさやえんどうが、五つくらい台所に置いてありました。
“形のあるものじゃなくていいよ”というのをこらえて「ありがとう」と言ってみる。